スミマサノリ「月曜日にオジャマシマス」

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4年間に渡って連載させていただきましたこの「月曜日にオジャマシマス」も、今回の記事でラストとなりました。長い間、主にくだらない試みの数々にお付き 合いいただき、ありがとうございました。最後の記事は、今までバクストでやって来たことの集大成になるようなことがいいなぁ、と考えていました。この4年 間、僕は何をやって来たのだろう。振り返ってみました。そして、割と好評をいただいた記事に共通点があることに気づきました。それは「ペヤング」です。ペ ヤングカップ焼きそば、です。

2007年11月19日 「シンクがボンッ!と鳴る温度を探る」
2008年3月10日 「ドキュメント、制限時間は3分だ!」
2008年4月28日 「カップ麺、焼きそばとラーメンの麺を入れ替えてみる」

ピックアップすると3つしかありませんでした。
もっとペヤングと絡んでいた印象があるのですが…。

まあ、いずれにしても「ペヤング」がいつも僕の心の中にいることは確かです。なので、最後も「ペヤング」にフィーチャーすることにしました。ペアなヤングでペヤングです。


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【大きくしよう】

最後の記事で大好きな「ペヤング」を扱うのだ。「ペヤング」に対して敬意を払う必要がある。どうしたら敬意を払えるのか? 一人ブレストを行い、「大きくしてあげよう」という結果に至った。ただ大きくするだけでなく、新しい役割を与えることも考えた。

そう、ペヤングのフタを大きくしてお風呂のフタにしてあげるのだ。
きっと「ペヤング」も喜ぶと思う。

試しに「ペヤング」のフタを事務所のお風呂に置いてみるとこんな感じになる。

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本物のフタだとこういう感じ

当然のことながら、全然フタになってない。

このフタを湯船サイズに拡大するのだ。

湯船のサイズと「ペヤング」のフタのサイズを比較してみた。その差は約6倍。「ペヤング」のフタを6倍に拡大すると、お風呂のフタサイズになる(うちの湯船の場合)。


拡大率が分かったので、早速、フタの拡大作業にかかる。

まずは材料の調達だ。
いつものように東急ハンズで材料を選ぶ。

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スチレンボードを選択

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人波をすりぬけてレジへ!

加工がしやすい、という条件のみでスチレンボードを購入した。スチレンボードが湯気に耐えられるのかどうかは分からないが、とにかくこれをフタの土台とする。

次に必要なのが「ペヤング」のラベル印刷だ。

本物のフタを切り抜いて拡大コピーすることにした。

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フタからラベル部分を切り抜き

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出力屋さんで拡大コピー

ラベル部分の実寸は、9センチ×12.5センチ。これを600%のカラーコピーにかける。

出力屋さんに「ペヤング」のラベルを渡し、6倍コピーをお願いした。出力屋さんは、これがお風呂のフタになることを想像すらしないだろう。

コピー完了まで4時間程かかるらしいので、一旦事務所に戻り作業を進めることにした。

ハンズで購入したスチレンボードをお風呂のフタサイズに裁断し、「ペヤング」のフタ風に加工を施していく。

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慎重にサイズを測って

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カットしていく

本物の「ペヤング」のフタのあらゆる箇所を600%にした。
小一時間かかって、土台部分のフォルムが完成した。

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基本フォルム完成

縁に明けた6つの穴は、本物だとこの部分である。

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本物のへこみ部分

本物のフタはこのようにへこんでいる。へこみを忠実に再現したかったのだが、それはかなり高度な技が必要なので、穴を空けてしまうことにした。

また、「ペヤング」の名物である湯切り口も、

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湯切り口

つまみ上げる形式は難易度が高いと踏んで、穴にした。

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3つの穴をあけた

これで、あとは拡大コピーがあがってくるのを待つのみである。

この時、時刻は午後6時半。7時から火曜担当ライターの吉川さんと約束をしていた。明日(3/23)公開の吉川さんの記事の撮影を頼まれたのだ。


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【仕上げ作業の前に】

吉川さんの撮影は恐らく1、2時間で終わる。カラーコピーの仕上がりが午後の9時。ちょうど良い時間の使い方である。

こういう風に無駄のない時間の使い方は、とても気持ち良い。

しかし、

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飲んじゃった

吉川さんの撮影が終わったあと、「軽く食事でも」となって結局そのまま飲んでしまった。

お互いの今までの連載を振り返って…、という訳でもなく、ただひたすら楽しく飲んでしまった。二人とも戻って原稿を書かないといけないのに、ラストオーダーの時間まで盛り上がった。

大人の分別、みたいなものが欠けているのだと思う。

深夜0時過ぎに吉川さんと別れ、急いで出力屋さんに向かった。
出力屋さんは24時間営業なのだ。

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もちろん

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出来上がっていた

カラーコピーの出来映えは素晴らしいものだった。大きくなった「ペヤング」を広げられて若干恥ずかしかったが、酔っていたので大丈夫だった。

カラーコピーを手に、急いで事務所に戻る。

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もう深夜1時前だ

9時過ぎに事務所に戻っているはずだったのに、深夜1時になろうとしている。予定ではもう仕事を終えて一杯やってる時間だ。つまり、結局はどこかでお酒を飲むことになるので、これはこれで無駄のない時間の使い方である。と、自分に言い聞かせ、急ピッチで作業を進める。

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カラーコピーの裏にスプレーのりを吹きかけて土台に接着

これで、お風呂のフタとしての「ペヤング」のフタが完成した。

湯船に置いてみよう。

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大きいペヤング

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上から見た図

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湯切り口

ピッタリとはまった。

お風呂が「ペヤング」になった瞬間である。

フタをあけたら湯船一杯に焼きそばが入ってそうだ。

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この中に湯船一杯の焼きそばが?

フタを開けてみると…

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中で「ペヤング」を食べてる

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オッサン

湯船を焼きそばで一杯にすることは出来なかったので、中に入って「ペヤング」を食べてみた。

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やっぱりおいしいね

吉川さんと飲んだ後でお腹が一杯だったのに、不思議と「ペヤング」は食べられる。一口食べると一気に食欲が刺激されるのだ。

やはり、「ペヤング」は素晴らしい。


と、最後の記事は「ペヤング」のおいしさを再発見したところで終わりにしたいと思います。

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今までありがとうございました。

「バクスト」は3月一杯で終了してしまいますが、またどこかで「ペヤング」を大きくしたり、途中で忘れてお酒を飲んじゃったり、無駄なことを沢山やっていきたいと思います。

ビバ、無駄!

というわけで、どこかでお会い出来ることを夢見ながら…。

4年間、ありがとうございました。


(2010/3/22 住正徳)

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