スミマサノリ「月曜日にオジャマシマス」

tit.gif


この夏、読者の皆さんから「夏休みの自由研究」のテーマを大募集しました。沢山の研究テーマをご応募いただき、うれしい限りです。ありがとうございまし た。気付けば夏休みは終わってしまいましたが、第1弾の研究が終了しましたので、発表させていただきます。研究させていただいたのは、「生チョコレート、 生キャラメルに続く生●●を作ってもらいたいです」という投稿テーマです。この研究がキッカケとなって、生キャラメルに続く商品が出来上がったらえらいこ とです。ポスト花畑牧場を目指して、僕の会社の業務内容を変更するかもしれません。とてつもないビジネスチャンスがすぐそこにある! そんな気がしてきま した。

ビジネスチャンスを秘めた「生キャラメルに続く商品を考える」というテーマ以外にも、興味深い投稿がいくつもありました。

例えば、「時刻表で読書感想文は書けるか?」というテーマも面白いと思いました。面白いのですが、鉄道系の研究はダーリンハニーの吉川さんを差し置いて進 める訳にはいきません。他にも「イタリア人は何故ケツアゴが多いのか?」という投稿にもグッと来ましたが、僕にはイタリア人の知り合いがいません。どう やって調べたらいいのか見当もつかないので今回は見送らせていただきました。「舌は日焼けするのか?」「カラオケで12時間歌い続けると体重は何キロ減る のか?」など体を張るテーマも面白いのですが、最近体力の低下が著しいので……、ごめんなさい。

というわけで、今回は生キャラメルに続く商品を真剣に考えました。
その結果をご報告いたします。


line.gif


【渋谷の花畑牧場を視察】

花畑牧場の生キャラメルがきてる、という噂はもちろん知っていた。今はだいぶ落ち着いてきたのかもしれないが、一時は中々手に入らなかったらしい。一体ど んな味がするのか? ずっと気になってはいたものの、まだ花畑牧場の生キャラメルを食べられずにいる。その計り知れない美味しさをいつかは味わってみた い。

未知なる味、生キャラメルに思いを馳せていたら、今年の6月に僕の事務所がある渋谷に花畑牧場のカフェがオープンした。その場で食べることも出来るし、持ち帰り用の商品も用意されているという。今回の自由研究では、生キャラメルに続く商品を考えなければいけない。となれば、当然、花畑牧場の生キャラメルを分析する必要がある。

という訳で、かねてから食べてみたかった花畑牧場の生キャラメルを手に入れるべく、渋谷の花畑牧場カフェにやって来た。


0001.jpg
入口を入るとバスがお出迎え

0002.jpg
花畑牧場経由、十勝幸福駅行き

0003.jpg
これが噂の生キャラメル!

入口を入ってすぐ左側にお土産用の生キャラメルが陳列されていた。イート・イン・スペースは店舗の奥の方で、ほぼ満席であった。

お土産用の生キャラメルを物色してみた。


0004.jpg
幻のチーズ、入荷

0005.jpg
色々な味の生キャラメル

0006.jpg
プレーンな生キャラメル

お店に来て初めて知ったのだが、生キャラメルには沢山の種類があった。バナナ味、チョコレート味、宮崎マンゴー味、青森りんご味。どの味も美味しそうだ。 しかし、まずはプレーンな生キャラメルから食べるのが礼儀だと思い、「生キャラメル」だけを購入することにした。幻のチーズ「カチョカヴァロ」にももちろ ん惹かれたが、グッとこらえた。今回の目的は、あくまでも「生キャラメルに続く商品」の開発である。


line.gif


【他に生のつくお菓子はないか?】

花畑牧場カフェの帰り道、渋谷駅の地下に入っているスーパーに立ち寄った。生●●というお菓子が他にないか、調べるためだ。

すると早速、生マシュマロなる商品が目に入った。


0007.jpg
生マシュマロ ホワイト

なるほど、マシュマロを生にしてきたか。

あのフワッとした食感が生になるとどう変わるのか? 気になったので買ってみた。


0007_2.jpg
生マシュマロ

手に取った感覚は普通のマシュマロと大差ない。少し力を入れて弾力を確かめてみる。弾力は普通のマシュマロよりも強いようだ。フワッというよりもブリンッという感じである。

食べてみた。

正直、普通のマシュマロとの違いが分からなかった。敢えて言うと、卵白の味が強いような感じがする。味が強い、というよりも卵白をたべている感覚に近い。

生キャラメルが普通のキャラメルよりも生クリームの量が多いのに対し、生マシュマロは卵白の量を増やしているのかもしれない。

生マシュマロの他にも「生きんつば」という商品を見つけた。


0008.jpg
生きんつば

生マシュマロ、生きんつば。2つの商品に共通しているのは、どちらも「冷やして食べる」という点である。そういえば生キャラメルも要冷蔵だ。冷やして旨い。これが「生」であることの1つの条件なのかもしれない。

スーパーで見つけた「生」と謳っているお菓子はこの2つだけだった。

このリサーチの結果、これから開発する「生」なお菓子の定義を勝手に決めた。

・生クリーム(もしくは牛乳)の量を増やす
・冷やして食べる

以上である。

この条件をクリアして、ビジネスチャンスをゲットしたい。



line.gif


【作るのは生カステラ】

唐突で申し訳ないが、カステラを牛乳に浸して食べたことがあるだろうか?
僕はある。そして、それが凄くおいしかった事を覚えている。

あの感覚に近い状態でカステラを焼き上げることが出来れば、それはもう立派な生カステラと呼べるのではないだろうか? 生キャステラでもいい。

そう、僕が作るのは生カステラである。生キャラメルに続く商品は、生カステラに違いない。

早速、材料を買い揃えた。


0010.jpg
カステラの材料

まずは普通のカステラを作るのに必要な物を揃えた。

たまご 8個
牛乳 50ml
砂糖 250g〜300g
はちみつ 大さじ4
強力粉 200g

以上である。

この材料のまま作ったら、それは普通のカステラになってしまう。生カステラとするため、牛乳の量を倍にすることにした。


0011.jpg
牛乳は倍の量で

さらに、生っぽさを強くするために、生クリームも牛乳と同量分用意する。


0012.jpg
生クリームも投入

これで、通常のカステラの4倍分の「生」が注入されることになった。

材料を勝手に増やしたりして大丈夫なのか?
ちゃんとカステラが焼けるのか?

それはやってみないと分からない。

牛乳と生クリームの量以外は、普通のカステラ作りと同じ工程を踏んでいく。
それが正しいのかどうかも、分からない。


0013.jpg
レンジで軽く温めた牛乳と生クリームにはちみつを入れる

0014.jpg
卵に砂糖を入れて高速で混ぜる

レシピには「ハンドミキサーの高速で10分」と書いてあった。しかし、僕は電動のハンドミキサーを持っていない。自分の腕で高速に混ぜるしかない。


0015.jpg
手で高速を実現

躍起になってかき混ぜてみたが、3分ももたなかった。手で混ぜるのはかなりしんどい。


0016.jpg
3分で電池切れ

高速で混ぜることをあきらめて、無理のない範囲でかき混ぜた。腱鞘炎になったら大変だからだ。


0017.jpg
混ぜた卵に牛乳とクリームを混ぜて、薄力粉を入れていく

すべての材料を入れてかき混ぜ終わった。

普通のカステラだとここで生地がもったりするはずなのだが、生カステラは牛乳と生クリームが通常の4倍入っている。いつまで混ぜても生地はもったりしてこない。

これでいいのだ。

この状態でうまい具合に焼き上がってくれれば、僕が目指す生カステラとなる。

牛乳パックの空き容器で作っておいたカステラの型に生地を流し込んだ。


0018.jpg
牛乳パックを型とする

生地を流し込んだ型をオーブンレンジに入れる。

最初は180℃で10分ほど焼いて、表面に焼き色をつけていく。


0019.jpg
180℃で10分

10分後、きっちりと表面に焼き色がついた。


0020.jpg
表面に焼き色がついた

ここからは150℃で1時間、じっくりと焼いていく。

焼いている間、改めて花畑牧場の生キャラメルを食べてみた。


0021.jpg
花畑牧場の

0022.jpg
生キャラメル

本当に美味しい。こんなキャラメル食べたことがない。そりゃぁ、売れるはずだ。

僕の生カステラもきっとこうなるはずだ。

会社の約款に「牧場経営」を追加しないといけない。忙しくなりそうだ。

はやる気持ちで焼け具合を確認してみた。


0023.jpg
焼き上がってきた生カステラ

生地がゆるゆるだったので、ちゃんと焼き上がるのか心配だった。しかし、しっかりと焼き上がりつつあるではないか。

生カステラの完成は近い。

そう確信した次の瞬間、オーブンレンジの耐熱トレイが回転した。


0024.jpg
溢れてる

やはり生地がゆる過ぎたのだろうか?
生地がマグマのように溢れ出ている。

失敗か?

だが、まだ焼き時間は残っている。残りの時間で、溢れ出た生地が元に戻るかもしれない。とりあえず1時間焼き続けた。

そして、1時間後。

焼き切った生地を牛乳パックから取り出してラップに包んだ。
一晩、冷蔵庫で寝かすためだ。


0025.jpg
一晩寝かす

生地の焼き上がりはどうだったのか? そして、一晩寝かした生カステラはどうなったのか?

答えは、次の写真である。

0026.jpg
完成、生カステラ

なんとか形にはなった。

これが、通常よりも牛乳の量が4倍多い「生カステラ」である。一見、チーズのように見えるかもしれない。だがこれが「生カステラ」なのだ。誰が何と言おうと、生カステラなのです。


0027.jpg
生地の密度が濃い

これを一口サイズにカットして、花畑牧場の生キャラメルのようにパッケージ化してみた。

0028.jpg
住畑牧場の生カステラ

花畑牧場の商品チラシを少し変えて、「住畑牧場 生カステラ」としてみた。それっぽく見える。

そして、肝心の味の方も大丈夫だった。

大丈夫、と言ってる時点で相当ハードルが下がっているが、本当に大丈夫だった。歯応えがあって、瑞々しいカステラである。当初の目標であった、「牛乳を浸した状態のカステラ」には到達出来なかったが、これはこれでアリだと思う。


0029.jpg
ちなみに溢れた生地はこうなった

以上で生キャラメルに続く商品の研究は終了です。

お菓子作りが得意な方、是非、この研究結果を元に本当の「生カステラ」を完成させてください。そして、僕と一緒にビジネスチャンスを掴みましょう。


※夏休みの自由研究特集、次はダーリンハニーの吉川さんが9/15に研究結果を発表します。
 乞うご期待!


(2009/9/7 住正徳)

この記事についてつぶやく


line.gif

【記事一覧へ戻る】