スミマサノリ「月曜日にオジャマシマス」

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すべてのおかずは白米のために存在する。昔の偉い哲学者がそんな言葉を残している。いや、偉い哲学者じゃなくて近所の定食屋のおじさんが言ってただけかもしれない。どっちにしても、僕もその意見に賛成だ。おかずを目の前にした時、「ご飯にあうか否か」と反射的に考える。白米がないと食事が完結しない、とも思っている。

そんな白米を普段よりもっとおいしく炊く方法はないだろうか?

例えば炊飯器の中に炭を入れるとおいしくなるという。ということは、水の代わりに炭酸水で炊くという手はどうだろう?

炭と炭酸水、字面が似ている。

早速試してみることにした。



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【実証されていた】

炭酸水でご飯を炊いておいしかったら……。それは大変な発明だと思う。試してみる前に、まずは特許を取っておくべきだ。他に同じ事を考えている人がいないか、ネット検索をかけてみた。そうしたら、あっさり先人がいた。「炭酸博士ドットコム」というサイトに「炭酸水でご飯を炊く」と いう記事があった。そこには「コシのあるしっかりとしたご飯が炊き上がります」とか、「お米がひとつひとつ立っている、そんな食欲をそそる炊き上がり!」 と書いてある。炭酸水でご飯を炊いたらおいしい事は既に実証されていたのだ。特許の夢は一瞬で破れてしまった。しかし、おいしいご飯を食べたいという欲求 は収まっていない。炭酸水でご飯を炊いたらおいしいと決まっているのだから、やらない手はない。

予定通り、炭酸水でご飯を炊いてみます。


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炭酸水を2リットル

炭酸博士のサイトに書いてあったように、お米を洗うところから炭酸水を使用することにした。実際に炊く時に使うことも考慮して、全部で2リットル購入しておいた。1リットル138円。これを安いとみるか高いとみるか。それは、炊き上がりの結果次第である。

お米は「あきたこまち」を買った。炭酸水とお米、両方ともドン・キホーテーで調達出来た。渋谷のドン・キホーテーはレジ周りにお米を置いている。食品売り場には置いてないので注意が必要だ。


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あきたこまち

今回は1合分のお米で検証する。まずは1人で食べ切れる範囲で試し、うまく行ったら 沢山炊こう。


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1合分で

炊飯器の内鍋にお米を入れて炭酸水を流し込むと一気に泡立った。こんなお釜、見た事ない。

本当に大丈夫だろうか?


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炭酸水を流し込むと

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お米が一気に泡立つ

シュワシュワした感触を感じながら、丁寧にお米を研いでいく。


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炭酸水で

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お米を研ぐ

それにしても、この泡にどんな秘密が隠されているというのだろうか?

炭酸博士ドットコムによると、炭酸水の効果はお米をおいしくするだけではないらしい。炭酸水で洗顔すると肌が滑らかになったり、うがいをすると風邪のウイルスを殺してくれたりするという。

あの泡は魔法か?

ちなみに世界で初めて炭酸飲料を作ったのはクレオパトラらしい。
これも炭酸博士ドットコムに書いてあった。炭酸トリビアである。


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洗米完了

洗い終わったお米はいつもよりツヤツヤしているように見える。
炭酸水の効能を知ったからそう見えるだけかもしれない。しかし、見える。

せっかくなので炭酸水で洗顔してみることにした。僕の肌もツヤツヤするに違いない。


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炭酸水を洗面器にうつして

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洗顔

一気にジャブジャブとやって驚いた。鼻の中に思い切り炭酸水が入ってしまい、もの凄く痛いのだ。もし、炭酸水で洗顔を試す時は気をつけて下さい。鼻で炭酸水を吸い込むと痛い。これも炭酸トリビアとして加えておこう。

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お、スッキリ!(鼻に炭酸水が入って涙目だけど)

炭酸水のおかげで僕の肌もツヤツヤになった(多分)。

あとは、炊飯器でお米を炊くだけだ。


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内鍋に炭酸水を入れる

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1合分

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炊飯スタート!

ここから約48分間待たないといけない。

果たして本当においしいお米が出来上がるのか?


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じっと待つ

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途中でフタを開けたい欲望を抑えながら

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匂いを楽しみながら、じっと待つ

そして48分が経過した。
ピッピッ!と炊飯器を音を立てる。

炊き上がりだ。

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ドーンッ!

炊飯器のフタをあけると、フワッとお米のいい香りが立ち上がってきた。一気に食欲がわいてくる。そして、見た目もバッチリである。一粒一粒に艶がある。更にお米が立っている。

炭酸水でお米を炊くとおいしい。
どうやらそれは本当らしい。

だが、油断は出来ない。見た目はバッチリでも、口に入れた途端にパチパチしたら大変である。そんなドンパッチ※1みたいなご飯は嫌だ。

炊き上がったご飯をお茶碗によそった。


※1:若い方はご存知ないかもしれませんが、昔、ドンパッチというはじけるお菓子があったのです。


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いい感じだ

白米だけで食べても良いのだが、ここはやはりご飯に合う物と一緒に食べたい。


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塩辛を乗せて

そう、塩辛である。

もちろん悩んだ。明太子も乗せたいし納豆だって乗せてみたい。海苔の佃煮も捨て難いしキュウリのキューちゃんだって外せない。とにかく、おいしいと保証された白米である。一緒に食べる物は慎重に決めなければならない。

検討の結果、塩辛で落ち着いた。


もう、食べます。


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鼻の下が伸びる

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パクッと一口

おいしい…。

おいしい…、としか表現出来ない自分がもどかしいが、本当においしい。それ以外、何も言えねぇ(北島選手風)。

言葉をなくした僕は、自然と天を仰いでいた。


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日本人に生まれて良かった〜


(2009/04/27 住正徳)

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