スミマサノリ「月曜日にオジャマシマス」

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ファンタオレンジが好きだ。グレープでもいい。ピーチが出たときはそのおいしさに驚いた。最近は「ゼロレモン」というカロリー0のレモン味も出ていて嬉しいし、メロンソーダ味なんかもあってどの味にするか悩んでしまう。

更に、ファンタは今年で50周年を迎えたらしく、過去に人気のあった味を続々と復刻しているのだ。第1弾はグレープフルーツ味、第2弾はパイナップル味、第3弾はピーチ味と続き、今は第4弾として「ファンタ青りんご」が発売中である。ファンタファンにはたまらない展開だ。なくなり次第終了するとのことなので、懐かしの「青りんご味」を楽しみたい人はすぐにお店に行った方がいいと思う。

で、気になるのは復刻シリーズの今後である。
一体、どんな味が出るのか?

日本コカコーラのお客様相談室に電話をかけてみた。

復刻シリーズの今後のラインナップを教えて欲しいのですが…。

「どんな味が出るか、楽しみに待っていただけると幸いです」

と、とても感じの良い窓口の人から言われた。
まだ教えられる段階にないらしい。余計気になる。

「ちなみに、お客様のご希望の味はございますか?」

とも聞かれたので、ピーチがもう一度飲みたいです、と伝えておいた。
僕の意見が採用されてもう一度ピーチが出てくれたら嬉しい。

いや、待てよ。

ファンタを自分で作ってみるのはどうだろう?

大好きなファンタオレンジを自分で作ってみて、うまく行ったら他の味にも挑戦してみよう。


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まずは本物のファンタオレンジを用意する。本物の味と色をお手本にして、限りなく本物に近い自作ファンタオレンジとしたい。

ところが事務所周辺の自動販売機、コンビニにはファンタオレンジがないのだ。自販機にはファンタグレープしかなくて、コンビニには復刻シリーズの「青りんご」しかない。「ファンタオレンジが好きだ」とか冒頭で言っておいて、身近にファンタオレンジがない事を今日知っている。本当に好きなのか? と疑われてしまいそうだが、本当に好きだ。ただ、今まではそんなに積極的じゃなかったというか、見かけたら絶対に買う、という受け身な姿勢だったのだ。

でも、今日の僕はファンタオレンジに積極的だ。再びお客様相談窓口に電話をかけて、事務所がある渋谷周辺でファンタオレンジの取り扱いがあるお店を聞いた。

相談窓口では販売店の情報を把握していないらしく、他の部署から改めて折り返しの電話をいただいた。ファンタオレンジ1本のためにそこまでしてくれるのだ。今日1日ですっかり日本コカコーラのファンになってしまった。

折り返し電話をくれた営業部の方から、渋谷のファンタオレンジ事情を伺った。するとなんと、渋谷でファンタオレンジを取り扱っているお店は1軒しかないのだという。ファンタオレンジファンとしては悲しい状況だ(今までそんなに悲しんでないけど)。

とにかく、渋谷で唯一のお店で、ファンタオレンジをゲットした。

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ファンタオレンジ

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中身

プシュッとプルリングを引くと、ファンタオレンジの香りがフワーッと漂う。この香りがファンタオレンジの特徴だと思う。他の炭酸系オレンジ飲料とは香りが違う。

これを作りたい。


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【スプライトをベースにして】

自作ファンタオレンジのベースには、スプライトを使う事にした。同じ日本コカコーラさんの商品である。きっと三ツ矢サイダーよりもファンタオレンジに近いはずだ。

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スプライトを

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ベースにする

スプライトをオレンジ味に変えるため、オレンジエッセンスというものを買って来た。「天然素材から抽出したナチュラルな香り」と書いてある。

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オレンジエッセンス

これをスプライトに入れる。

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スプライトに注入

なにせはじめてのファンタオレンジ作りである。どれくらいの分量が適当なのか、検討もつかない。
とりあえず5滴ほど垂らして匂いを嗅いでみた。

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香りはどうか?

おっ、かなりいい線だ。
ファンタオレンジの香りに近い。

味見をする前に、これをファンタオレンジの色にしていこう。

食用色素「黄色」の出番だ。

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色用色素「黄色」(粉末タイプ)

付属スプーンに色素の粉をすくい、スプライトに入れる。

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付属スプーンで色素を入れると

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スプライトに色がついていく

スプーン山盛り1杯で約0.1グラム。
色を見ながら、都合5杯ほど入れてみた。

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左が本物

写真で見ても分かる通り、スプライトの方は透明度が高く本物とは随分違う。ファンタオレンジというよりもオロナミンCっぽい色である。

どうやったら本物の色になるのだろう?

別の色を足すのはどうか?

例えば「赤」とか。

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色用色素「赤」(粉末タイプ)

「赤」を足す事で黄色に深みが出て本物っぽい色になるかもしれない。
入れてみよう。

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黒い!

「赤」の色素は随分黒い。
若干不安ではあるが、入れてみないと分からない。

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赤、投入

カプチーノの泡に絵を描きました。
みたいになってしまった。

ストローでグルグルかき回して、赤をスプライトに馴染ませていく。

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こんな色になっちゃった

全く違う色になってしまった。
全然ファンタオレンジじゃない。

色を戻すため、もう一度「黄色」を入れてみる。

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黄色を再度投入

だめだ。
赤を入れた後に黄色を入れても、全然色が戻ってくれない。

色は失敗だ。
味はどうだ?

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味見

だめだ。
色素を入れ過ぎたようで、かなり粉っぽい。こんなファンタオレンジは嫌だ。

もう一回、やってみよう。


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【もう一度チャレンジ】

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もう一回スプライトから

このまま引き下がる訳にはいかない。もう一度、スプライトからファンタオレンジを作っていく。

しかし、「黄色」と「赤」の色素しか用意していない。
もう「赤」は使わないとして「黄色」を沢山入れれば本物っぽくなるだろうか?

いや、多分ならない。さっきみたいに粉っぽくなってしまうのが落ちだ。

本物はどうやってあの色を出しているのか? お客様相談窓口に聞いてみようかとも思ったが、それはさすがにやめといた。いくら優しいからといって、そこはきっと企業秘密だ。あの濁りにファンタオレンジのおいしさの秘密が隠されているのかもしれない。

色は諦めよう。

味だ。
味だけでも本物に近づければそれでいい。

オレンジエキスを1滴ずつ入れては味見をして、本物と飲み比べていく。

10滴入れたところでかなり本物の味に近づいた。いや、本物と言っても過言ではないかもしれない。

目隠しをして飲み比べたら、どっちが本物か分からないくらいの完成度である。

よし、目隠しをして飲み比べてみよう。

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目隠しで飲み比べ

目隠しをした後、スタッフに本物と偽物を僕の前に置いてもらった。目隠しがなければ向かって右側が本物で左側が偽物とすぐ分かる。

しかし、飲んだらきっと迷う。

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本物を試飲中

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偽物を試飲中

あっ、全然違う。
最初に飲んだ方がファンタオレンジだ。間違えるはずがない。

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断然こっちが本物

ファンタ50年の歴史は伊達じゃない。簡単にあの味を出す事は不可能なのだ。
「本物」と言ったのは過言だった。


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ファンタオレンジ作りに成功したら、自分なりのファンタを作ろうと思っていたので、別の味のエッセンスも購入していた。

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グレープフルーツ、ゆず、さくら

復刻シリーズ第1弾で登場した「グレープフルーツ」、そして多分今まで出ていない「ゆず」と「さくら」。これらを使って自作ファンタが出来たらどんなに幸せだったことだろう。

ファンタゆず、ファンタさくら、なんて本当においしそうだ。

でも、自分でファンタは作れない。

明日またお客様相談窓口に電話して、「ゆず」と「さくら」をプッシュしてみよう。

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やっぱり売ってるファンタが一番ですな


(2008/11/10 住正徳)

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